ワラウクルミ

米英仏の合同作戦によるシリアの化学兵器製造施設へのミサイル攻撃

missile

先週7日にシリアで起きた化学兵器の使用を受けて、アメリカイギリスフランスの合同軍が13日夜、シリア政府軍の化学兵器関連施設などの主要施設をミサイル攻撃しました。

今回は、合同3国のシリア空爆についてお話しします。

化学兵器施設と思われる3施設を破壊

2018年4月13日夜、トランプ米国政権は、シリアでアサド政権側が化学兵器を使用したと断定し、その抑制攻撃としてイギリス、フランスとの共同作戦でシリア政府軍の化学兵器関連施設3拠点105発のミサイルで攻撃し、破壊したと発表しました。

ドナルド・トランプ米大統領photo by BBC News

アメリカ国防総省は翌日の記者会見で「すべてのミサイルが目標に到達した」と強調し、成果をアピールしました。もちろん、アサド政権側を支援するロシア軍に被害を出すわけにはいかないので、攻撃対象は慎重に選んだということですが、これにより米ロ関係の緊張がより一層強まることは間違いありません。

地中海東部などに展開するアメリカの艦船や原子力潜水艦からの巡航ミサイル『トマホーク』を発射し、B1戦略爆撃機からも空中発射ミサイルで攻撃しました。イギリス・フランスの戦闘機や艦船もミサイル攻撃に加わったようです。

シリアのアサド政府軍側も、これらの攻撃に対して地対空ミサイルを約40発ほど発射して応戦したものの、効果はなかったようです。

ちなみにアメリカは、昨年の4月にもアサド政府軍がシリア北西部で化学兵器を使用したとして、シリア中部の政府軍基地に巡航ミサイルを発射し、戦闘機約20機を破壊しています。

誰かが嘘をついている

米英仏のこうした主張とは裏腹にシリア政府軍は、シリア国営放送で「米英仏軍に破壊された施設は、抗がん剤などを開発する平和的な機関だった」と報道。間違った攻撃だったと主張しています。

セルゲイ・ラブロフphoto by Foreign and Commonwealth Office

そして、ロシアラブロフ外相も、「我々の専門家の調査では化学兵器使用を裏付ける証拠はなかった。むしろある国の特殊機関による捏造だという揺るがぬ証拠がある」とコメントしています。いったい誰が本当のことを言っているのかわからなくなりますね。

本当にシリア政府軍側が化学兵器を使用したのか?それとも、政府軍をはめようとして他国の兵、もしくは反乱軍がやったのか?出来ることなら前者の意見を信用したいものですが。

ただ化学兵器が使用されたという動かぬ証拠はここにあります。一週間ほど前の7日にシリアの首都ダマスカス近郊の東グータ地区ドゥーマで、化学兵器の被害にあったマーサちゃん(7歳)の証言です。

あんな怖い目に遭ったにも関わらず、「最後の階段で転んじゃった」と笑いながら話すマーサちゃんを見ていると胸が苦しくなります・・・・・・こんな小さな子供が命の危険にさらされ続けなければいけないなんて、本当にどうかしてます。

今回、ミサイル攻撃の標的を化学兵器の関連施設3カ所に絞った背景には、ジェームズ・マティス米国防長官の慎重な考えがあるようです。マティス国防長官は、戦争の拡大を匂わせるドナルド・トランプ大統領の発言によって、アメリカがシリア内戦の泥沼にさらに踏み込まなければならなくなる可能性を懸念したのです。

マティス国務長官photo by James N. Mattis

そもそもトランプ大統領自身、シリアからは手を引きたいと望んでいるようで、イギリス・フランスも同様です。しかし、ロシアがアサド政権側を支援している限り、目を離すことが出来ないのも事実でしょう。

今回の合同攻撃に関して、日本の安倍総理大臣は「3国の合同攻撃を全面的に支持する」とコメントしています。

アメリカ、ロシアへの何らかの制裁を決定

さらに、アメリカのヘイリー国連大使は、シリア政府軍が化学兵器を使用したことに対して後ろ盾をしているロシアがそれを阻止できなかったとして、16日からロシアに対して何らかの制裁を下すことをアメリカのCBSニュースで発表しました。

ヘイリー国連大使photo by Gage Skidmore

そこまでの行動に踏み切るということは、よほどシリア政府軍が化学兵器を使用したということに対して確証があると言うことでしょう。やはり、シリア政府軍やロシアが嘘をついているのか?・・・・・・まだはっきりしたことは言えそうにありませんね(-_-;)

ちなみに、今回の攻撃に対してイギリス国民のあいだでは否定的な意見が多いようで、

「なぜこのタイミングで空爆したのか?」

「どうしてロシアとの摩擦を強めるのか?」

「無実の人々を殺すかもしれないリスクをなぜ冒すのか?」

などなど。イギリスの調査会社『YouGov』が英紙『The Times』の委託で行った世論調査では、英国のシリア空爆参加に賛成したのは全体の2割で、43%が反対したということでした。これらの意見を聞いていてどことなく「自分の国は安全でいたい」という裏返しに聞こえるのは私だけでしょうか?

私は現在、アメリカに住んでいるのですが、もしアメリカ・イギリス・フランスが緻密な調査の結果、シリア政府軍が化学兵器製造所を持ち、反乱軍に対して化学兵器の使用に関与したという確証をもとに攻撃したのであれば、私は今回の攻撃を支持します。

『真実』と『嘘』は、嘘をついたものだけが証明できます。しかし、嘘つきはなかなか自分から「自分が嘘つきです」とは言わないもの。

真実をねじ曲げているのは誰なのか?早くすべてが明らかになって欲しいものです。これ以上、マーサちゃんのような可愛い女の子が怖い思いをしないですむように。

 

よろしければ関連記事もどうぞ。

みなさんは、2018年4月現在も続くシリアの内戦を日頃の生活の中で考えることはあるでしょうか? 私は恥ずかしながらほとんどありません。 ...

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