ここアメリカで、日本ではあまり見かけない光景の1つとして、「芝生」があります。どの家も美しい芝生で埋め尽くされています。
もちろん上の写真のように、各家庭の芝生にサイを飼っているわけではありませんよ(笑)
今回はアメリカの芝生について少し話していこうと思います!
アメリカ人の芝生への愛情

日本では、公園や日本庭園、グラウンドなどで時々芝生を見かけますが、アメリカではそれこそいたるところで芝生を見ることが出来ます。
アメリカの各家庭にはたいてい前庭がついてあり、そこにびっしりと芝生が敷き詰められているのです。
さらにはその辺の公園や、教会の前庭、学校のグラウンドなど、もうありとあらゆるところに芝生が敷き詰められています。今は冬なので芝生も少し茶色がかって元気がありませんが、夏になるとそれぞれの軒先は青々とした芝生で彩られます。

そして、多くの場所ではスプリンクラーが設置されてあり、気持ちのいい水の音をさせながら芝生を潤していきます。冬は逆に凍ってしまうので、スプリンクラーは止まっていますが。
芝生のメンテナンスは大変!

そんな美しい芝生ですが、それを維持し続けるのはそれ相応な努力が必要なようです。
冬はあまり芝生が成長しないのか、芝生を刈る光景はあまり目にしませんが、暖かくなってくると伸びた芝生を刈るのによく耳にします。少なくとも2週間に1回は芝刈りをしているでしょう。
さらに、庭を大事にするアメリカ人は、庭によく木を植えてあり、当然秋になるとそれらの木から大量の落ち葉が芝生に降り注ぎます。
それを取り除くために下の写真のBlowerと呼ばれる機械で落ち葉を掃除していきます。

加えて、芝生に混じって違う種類のたちの悪い芝生が生えてきたり、タンポポなどの雑草も生えてきます。当然、それらも除去しなくてはなりません。
スプリンクラーの設置費用は高く、それを設置していない庭は手作業で水をたっぷり撒かなくてはいけません。肥料や除草剤なども定期的にやらなくてはいけません。
それが嫌な人々は、お金を払って「芝生メンテナンス会社」に頼んでいるようです。
機械を動かすためのガソリン代や、水、肥料、除草剤などの経費と労力はなかなかのものでしょう。
アメリカの芝生の歴史

それを分かっていながらも、アメリカ人は庭を、そして、芝生を愛してやまないのです。なぜでしょうか?その理由は、400年ほど前にさかのぼります。
ご存じのように、アメリカの最初の入植者たちはイギリス人でした。
ある程度、人口も増加してきたときに、ある不動産屋が英国貴族の庭園にある「芝生」をセールスポイントに家屋を売り出し始めました。それが一部の資産家にうけ、徐々に浸透していきました。
そして、1947年、ニューヨーク近郊のロングアイランドで、手ごろな価格で売り出された1万7000戸もの芝生付き建売住宅が一般庶民の間で大ヒットしました。
それから、全米に「前庭には芝生」というイメージが、アメリカン・ドリームやその家のステータスの象徴として広がっていったようです

人間の頭の中というのは不思議なものですよね。
いったんそれが当たり前だと思い込んでしまうと、その当たり前を出来てないときには白い目で見てしまう。
アメリカ人の中にも、別に芝生なんて面倒だから育てたくないけど、みんなやってるし、後ろ指を指されるのも嫌だから仕方がないけど育てよう、という人も多くいると思います。
中には、芝生を育てるのは嫌いだから、庭を花や木で覆い尽くしている人もいれば、コンクリートで完全に覆い尽くしてしまっている庭も見かけます。
確かに、枯れてしまった芝生をそのまま放置している庭よりはマシなのかもしれませんね。
もし私がアメリカで家を建てるならどうするか?それはだいぶ先の話になりそうなので、それまでにゆっくり考えることにします。