先週12日、スターバックス店内で友人を待っていた2人の男性が逮捕されてしまったことを受けて、スターバックスは来月5月に全米8000店舗以上の直営店舗を一時閉鎖をし、『人種的偏見』に関するトレーニングを行うと発表しました。
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広がるスターバックスへの抗議の輪
2018年4月12日午後4時半頃、ペンシルベニア州フィラデルフィアにあるスターバックスに2人の黒人男性が入ってきて、店員に「トイレを使いたいのでトイレの暗証番号を教えて欲しい」と頼んだところ「まだ商品を購入していない方は、トイレが利用できません。
もし、商品を購入する気がないのであれば店から出て行って下さい」と言われました。
2人は、その後も店内で友人を待っていたところ、支店長がしびれを切らして警察に通報。彼らは警察に店から出て行くように言われ、それを拒否したところ、なぜか逮捕されてしまったのです。
その様子を見ていた周りの人たちからは、店員や警察に対して抗議をする人が続出し、その様子を撮った動画がSNSで拡散し話題となりました。
この事件の動画などの詳細はこちらの記事をどうぞ!↓
その後、フィラデルフィアのこのスターバックス店舗内外で、抗議のデモが行われるようになりました。
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さらに、SNS上では『スターバックスのコーヒーをボイコットしよう』という動きも活発化していきます。
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肌の色のせい?なんて誰にも言わせてはいけない!
2018年1月に撮影されたこちらの映像は、黒人のブランドン・ウォードさんがカリフォルニア州のスターバックス店舗で『商品を購入してないから』という理由でトイレの利用を断られたときのものです。
納得しなかった彼は、商品を購入する前にトイレの暗証番号をもらった白人のウェストンさんを見て、お店に抗議しました。
「この肌の色のせい?」・・・・・・その言葉を聞くだけで胸が痛くなります。誰にもこんな言葉を言わせてはいけませんよ!!
ジョンソンCEOの手腕が試される
これらのことを受けて、スターバックスのケビン・ジョンソン最高経営責任者(CEO)は、
「2人の男性が店舗内で逮捕される動画は、見るに耐えないものでした。彼らはあのような扱いを受けるべきではありませんでした。
我が社、そして私の責任です。
我々は、同じ事が再発し『非難に値する結果』を招かないように、会社の慣行を見直すと従業員に通達しました」
と話し、5月29日の午後に、アメリカ国内のスターバックスの全8000店舗以上の直営店とオフィスが『人種的偏見』に関するトレーニングのため一時閉鎖されるということを発表しました。
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これには、17万5000人近くのスタッフに加え、内定者もトレーニングを受けることになっているようです。
店舗閉鎖による売り上げへの影響は、約2000万ドル(約2億1500万円)に上るとみられています。たった半日でとてつもない額ですねf^_^;)
自社ウェブサイトのスターバックスニュースでジョンソンCEOは、
「人種的偏見のトレーニングのために店を閉めるのは、当社の全部署の真剣な取り組みや地域コミュニティーとのパートナーシップを必要とする旅路の、最初の一歩に過ぎません。
トレーニングでは、暗黙の偏見を明らかにし、意識的にすべての人を受け入れることを促して差別を防ぐと共に、スターバックス店舗内の全員が安心し、歓迎されていると感じられるようにすることを目指します」
とコメントしています。
その後、警察を呼んだフィラデルフィア店の支店長は、残念ながら解雇されてしまったようです。事実がどうあれ、ここまで問題が大きくなってしまったからには仕方のないことでしょう。
事件以降、ジョンソンCEOはフィラデルフィアに滞在し、逮捕された黒人男性2人に会って謝罪をしました。
そして両者は、『これから同じ過ちを繰り返さないための前向きな社会変革の手段』について建設的な話し合いをしたそうです。
スターバックスはこれまでにも、同性愛や銃規制などの社会問題に対して積極的な姿勢をみせていることで有名です。
今ここで、このことに気がつけたのは、スターバックスにとってとても幸運なことです。これからはもっと、みなが安心して利用できるコーヒー店を目指して欲しいと思います。