映画「無実の投獄」について。
無実の罪で21年間ものあいだ投獄された男と、彼の無罪を証明しようと奮闘する人々の実話を元にした映画です。配信・製作は、Amazonビデオ。なんだ、Amazonかと思ったあなた。あなどることなかれ!かなり上手くまとめられた作品ですよ(´д`)一見の価値ありです。
※これより下記の記事にはあらすじ、ネタバレがありますのでご了承下さい。
何も罪を犯してないのに・・・
もし無罪で刑務所に放り込まれてしまったら?そのことを考えただけで発狂してしまいそうですが、それに加えてこの物語の主人公コリン・ワーナーはなんと21年間ものあいだ無実の罪で刑務所生活を送らなければならなかったのですから、本当にとんでもない話ですよね。
しかし、1980年頃のアメリカでは無実の罪で有罪判決を下されてしまう人たちが多くいたようで、現在いるアメリカの受刑者240万人のうち、推定12万人は無実だと言われているようです。
未だに多くの人々が、コリンのように理不尽な思いをしながら無実の刑務所生活を送っているのだと考えるだけで胸が痛くなります。
冒頭のシーンでコリンは車を盗もうと、運転席の窓ガラスの隙間に針金のようなものを差し込んでドアを簡単に開け、素早く車を盗んでいきます。
他の映画でも何度かそのようなシーンを観たことがあるのですが、実際にそれは可能なんですかね?。。。。。もちろん実際に私がするつもりはまったくありませんが(笑)
理不尽な判決
この物語に出てくる警察官たちは、一度容疑者だと決めたコリンをなんとしてでも有罪にしようと嘘をつく証言者を集めまくるのですが、そんな嘘の証言でも裁判で発言した瞬間、事実のように扱われてしまうのです。
こんな裁判あっていいのか!と、あまりの裁判のずさんさに怒りをぶつけたくなるのですが、証拠は証拠。
裁判ではそれがすべてなのでしょう。
それにしても、嘘の証言をした少年のクラレンスは強盗の罪で捕まったのですが、当時、彼が課せられるかもしれなかった刑期は、なんと25年!人を傷つけてもいないのに25年の刑期って、ちょっとやりすぎですよね。
加えて、この物語の真犯人アンソニーの判決は9年から無期懲役で、その運転手をしていた(実際はしていない)と判断されたコリンが、裁判長が与えられるもっとも最低限の量刑、15年からの無期の懲役っておかしくないですか?
全然最低限と思えない!なぜ殺人をしたアンソニーの方が、幇助したコリンのより判決が軽いのでしょうか?
この物語で納得いかないことの1つです。というよりアメリカの司法の歴史に納得いきませんね
諦めない精神に感動!
そして、コリンが裁判後、初めて重警備州刑務所へ移送されるとき、裸になって体中に白い粉をかけられるシーンがありました。もちろん薄力粉ではないでしょう(笑)
おそらく、殺虫粉か何かだろうとは思いますが、知っている方がいらっしゃれば教えて下さい!
その後、友人のKCとコリンが密かに恋心を寄せていたアントワネットが、コリンの無罪を証明しようと資金を集め、弁護士を雇うのですが、まあその弁護士が役にたたないのなんのって。
上訴審で彼が発言しようとするのですが、証拠の資料をほとんど整理していないせいで、完全にしどろもどろ。もちろん上訴は負け、金だけを美味しく頂いたあの詐欺弁護士には本当に嫌な気持ちになりました。
しかし、KCとアントワネットはコリンの無罪を証明することを諦めません。友情と愛情で他人のためにあそこまで動けるなんて。
人間の美しさを感じることが出来ました。
アメリカの当時の警察官が、当たり前のように行っていた隠れた闇の行為を照らし出した作品だと思います。いい作品でした。
アマゾンスタジオは資金がたっぷりあるということで、なかなかいい映画やTVシリーズを送り出し続けていますね。今後も注目していきたいと思います。英語版ですが予告編を貼っておきます。