「酪農は牛への動物虐待じゃないのか?」
一部の人々からあがる「搾乳は牛への拷問」「人間は子牛のための牛乳を母牛から奪っている」「畜産は地球環境に悪い」などといった批判の言葉。
そういった意見に、本業で酪農家をしているある女性が、酪農家としての一意見をイラスト解説つきで反論し話題となっている。
酪農は残酷なのか?それとも人々の生活を支えてくれている重要な第一次産業なのか?
これを読んでからまた考えて直してみてくれぃ∠( ̄◇ ̄)
酪農は牛への動物虐待なのか?①
酪農家への批判にちょっと待ったをかけたのは、本業で酪農を営んでいる『うわ野そら子(@farmeraunt)』さん。
酪農家としての一意見をイラスト付きでまとめてくれている。
1.搾乳は苦しい拷問なのか?
よく「搾乳は牛にとって拷問なのでは?」という考え方があるが、搾乳は1日2回で、時間はたったの5分程度。
逆に絞らないことで痛みある。それは人間のお母さんと一緒。搾乳中は美味しいおやつも与えている。
2.生まれてすぐに親子を離すのは可哀そうはない?
個体差はあるが、親子を離さないと圧死の危険性がある。
子牛が自然に乳を飲ませるまで待つよりも、人間が与えてやったほうが健康に育つ。
photo by うわ野そら子
3.子牛のための牛乳を奪ってるのでは?
子牛が十分に飲めるだけの牛乳は確保している。
4.牛を奴隷扱いしているんじゃないの?
牛たちの健康を維持するために、快適な環境を心がけている。そうすることで、牛もストレスなくいい牛乳を作ってくれる。
photo by うわ野そら子
5.牛乳は残酷だから飲みたくない。
牛乳が消費されないとなると、今いる牛たちはどうやって食事を提供してもらえるのだろう?天からの思し召し?
photo by うわ野そら子
6.一生繋がれたままでかわいそうじゃない?
各酪農家で差はあるが、うら野そら子さんのところでは昼間に放牧している。間違いなくストレスフリーだろう。
7.畜産は環境に悪いのでは?
確かに酪農が環境に悪い面があるのかもしれないが、だからといって無責任に人間が培ってきたこの『食の選択』を奪っていいのだろうか?
難しい話だ。
photo by うわ野そら子
取り合えず現状言える事は全てしたためてみた。
もっと絵の上手な人がいれば添削歓迎です。
ただ、勘違いヴィーガンを是正したかった。 pic.twitter.com/7mnwMhZuBG— うわ野そら子 (@farmeraunt) March 5, 2020
酪農は牛への動物虐待なのか?②
上で紹介した投稿が話題となったうわ野そら子は、追加で質問されたことにも答えてくれている◎
1.人工授精は苦痛なのでは?
発情期のみを狙って受精させている。人工授精よりも食べものが少なかった時の方が機嫌が悪い(笑)
2.発情期が来ても人工授精をしなければいいのでは?
大前提として、牛を受精させて子供を増やさないことには酪農家はやっていけない。
発情期を放っておくと巨体の牛が他の牛にのっかったり、頭突きをしたりして危険。骨盤の弱い牛が大きな牛に乗っかられると怪我をしたりもする。
photo by うわ野そら子
3.牛乳の繁栄は酪農業界の陰謀では?
はっきり言って、日本は乳製品が海外と比べてかなり少なめ。私の住むアメリカでは、乳製品は必需品。
牛乳や牛肉、チーズ、ヨーグルト、バター。そして、それをもとに作る食品を言い出せばきりがないだろう。
陰謀だなんて、ちゃんちゃらおかしい話だ、はっきり言って。
4.家畜の糞尿による環境汚染については?
糞尿は集められ、麦わらや米ぬかと混ぜて発酵させ、堆肥にしている。土壌改良に牛糞はかかせない。
photo by うわ野そら子
5.ホルモン剤、体細胞、抗生物質が乳や肉に残留しているのでは?
日本でホルモン剤の投与はない。
日本では厳しい乳汁検査を行っているため、酪農家も品質管理は徹底している。
6.乳牛は人間の都合で変えられたのでは?
品質向上のため、様々な交配が重ねられたことは事実。
しかし、過去のことを今更言っても仕方がない。今いる牛たちを快適な環境で飼育していくだけ、とうわ野そら子さんは語ってくれている。
photo by うわ野そら子
7.なぜ終身飼育しないのか?屠殺反対!
もちろん終身飼育なんてすれば莫大なお金がかかる。そんなことをすれば、消費者の元に届く牛乳などの商品は数倍は跳ね上がるはず。そんなもの誰も買えない。
結局、どちらを優先するかという話しになってくる。動物か人間か?
photo by うわ野そら子
自酪農家の説明第2段ですー。
前回説明の絵と全然関係ない部分ばかり責められたので、今回はそちらへの回答となります。動物への慈愛を盾に
此方を悪の権化に仕立てて
好き放題乱暴な言葉で中傷し
フォロワー稼ぐ方、承認欲求を満たす方が散見されます。少しでも考える糧になって頂ければ。 pic.twitter.com/w373pdhcIG
— うわ野そら子 (@farmeraunt) March 17, 2020
うわ野そら子さんも言っているが、これらはあくまでも酪農家としての一意見。これを踏まえた上であなたがどう考えるかは、あなたの自由だ。
改めてもう一度言うが、牛などの酪農による肉・乳製品の範囲は本当に幅広い。
牛乳や牛肉はもとより、バターやチーズ、ヨーグルト、果てはアイスクリームやケーキ、パンなどなど、乳製品を使った食品は思っている以上に存在する。
もちろん豆乳で代用できるものもあるが、牛乳で慣れ親しんだ味は再現不可能だ。
(画像はイメージ↑)
私のアメリカ人の友人から聞いた話では、アメリカで、例えば農業や酪農をやっている友達や家族がいた場合、みんなが彼らを尊敬していて、時には感謝の言葉を言ったりするのだそう。
酪農は間違いなく重労働だからな〜。でも、人々の食のために日々汗を流して頑張ってくれている。
感謝する気持ちも分かる。
ちなみに私も昔「家畜たちが可愛そうだ」と思い、菜食を一瞬考えたこともあるが、やっぱり肉や乳製品が大好きなので、今、私がしていることは・・・・・・
動物たちに感謝しながら、食べ残しや廃棄をしたりすることなく頂く
ということ。
牛さん、いつもありがとうm(_ _)mそして、酪農家のみなさんもいつもありがとうm(_ _)mm(_ _)m
画像提供:うわ野そら子(@farmeraunt)