人々は、文明開化していくことによって、より技術を向上させ続けてきました。しかし時に、それは違う形にとして『しっぺ返し』となって自分たちに返ってきます。
インド北東部の川にある砂州の島が、人間が作り出したあるものが原因で消滅の危機に瀕しています。
しかし、ある一人の環境活動家が自らの島を守るため、植林活動をし続けています。それも40年近くものあいだ、毎日。
今回は、人生をかけて森を作るある男性についてです。
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上流の巨大な堤防が浸食の原因
photo by William D McMaster
インド北東部にあるアッサム地方のマユリは、世界最長の川「ブラマプトラ川」の中にある砂州の島です。
しかしマユリは、20世紀初頭から消滅の危機にさらされ続けています。
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この70年間で、マユリの面積はもとの半分以下に縮小してしまい、専門家の研究では、およそ20年後には、ブラマプトラ川に流されてしまうのではと懸念されています。
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マユリは、今現在も危険にさらされ続けています。
その原因は、上流の街が巨大な堤防を築いたことによって、モンスーンで増水して行き場を失った川の水の猛威が、マユリに方向を変えてしまったからです。
1991年からマユリにある35以上の村が、川の氾濫によって流されてしまいました。
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39年間、植林し続けている
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インド官庁が、長年、マユリを守る方法を見つけ出そうと手をこまねいているあいだ、ある1人の環境活動家の男性がいなかったら、マユリはすでに消滅していたかもしれません。
1979年、マユリは大洪水に襲われたあと、激しい高温に見舞われ、簡単に見つけることが出来た食糧元でもあるたくさんのヘビが死んでしまいました。
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当時16歳だったジャダ・ペヤンさん(Jadav Payeng)は、その現状を目の当たりにしたとき、植林をして水の浸食からマユリを守ることを「人生の使命」とすることを決意します。
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以来、ジャダさんは、39年間、休むことなく毎日木を植え続け、550ヘクタールもの森林を作り出したのです!
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それは、ニューヨークのセントラルパーク(340ヘクタール)よりも広く、東京ドーム117個分にも相当する広さの森ということになります。
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今では、その森はベンガルトラやインドサイの住み処となり、さらには、毎年定期的に100頭以上のインド象が訪れるようにもなりました。
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「私の木を切る前に私を切りなさい」
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ジャダさんは、動画「Forest Man」の最後にこう語っています。
「私の夢は、マユリをもう一度、森で覆い尽くすことです。最後の一息をするまで、私は植林を続けるつもりです。
私は、人々にこう話すんです。『私の木を切っても、君には何にももたらさないだろう。私の木を切る前に私を切りなさい』ってね。」
ジャダさんのドキュメンタリー動画はこちら。↓
違うジャダさんの動画もありますよ!↓
おそらくこの森は、ジャダさんの名前をとって「Jadav Forest」と命名するべきでしょう。なぜなら彼がその森を作り出したわけですから。
直接的な損得勘定なしで、ジャダさんのようなこういう活動をされる方々を私は本当に尊敬します。
彼の人生をかけた森が、これからもどんどん大きくなって、マユリを大洪水から守ってくれるといいですね( ´▽`)