今回は、BBCが潜入取材した中国西部・新疆ウイグル自治区にあるイスラム教徒の収容施設についてご紹介しよう。
100万人を超えるイスラム教徒のウイグル人やカザフ人などを、厳重な警備下にある収容所に捕らえている中国当局。
しかし、彼らはこの施設を『訓練学校』だと説明している。
中国の思想改革収容所の実態とは?
訪れた取材カメラの前で、一見楽しそうに踊る収容者たち。
彼らに話を聞いてみると一様に「自分の意思でここに来ました」「以前は過激派思想の影響を受けており、それを変えるためにここに来ました」「ここは刑務所ではなくれっきとした訓練所ですよ」と語る。
photo by BBC News
↑そんな話をしながら引きつった笑顔を見せる男性の眼の周りには、明らかに殴られたと見られるアザが残っている。
BBC取材班が取材を行っているあいだ、常に中国政府職員が目を光らせ続けていた。
所内では、中国語や宗教関連の規制法暗記などの教育が行われている。そうして、彼らが本来持っていた信仰や文化への忠誠心を別の物へ置き換えさせているのだ。
photo by BBC News
こうした大型収容所が新疆ウイグル自治区に多数存在し、一大ネットワークを築いている。
本来は設置されているはずの警備フェンスや監視塔は、BBCが取材した施設だけ取材前に撤去され、何もなかった場所に運動場まで整備されていた。
photo by BBC News
カメラに、ここが刑務所ではなく訓練場だということを主張したかったのだろう。
犯罪予備軍を教化していると主張
現在、カザフスタンで暮らすラキーマ・センベイさんは、以前入っていた収容所で1年以上に渡り暴行や虐待を受けていたのだそう。
彼女が収容された理由は『ワッツ・アップ』というアプリを携帯に入れていただけというとんでもないもの。
photo by BBC News
そして、彼女は役人やジャーナリストが来ると「幸せな表情をするように」と職員から言われていたという。
狭い部屋に約十人もの収容者が詰め込まれ、毎日、早朝から深夜まで洗脳され続けている。
中国当局は、収容されている者たちは犯罪予備軍であり、我々は彼らを正しい方向へ導いているとしている。
動画はこちら。↓
英語が出来る方はロングバージョンもどうぞ。↓
彼らは自ら洗脳を望む学生たちということを示すため、中国当局は収容所内の事実をねじ曲げ、上塗りをし、必死に隠し続けている。
これが洗脳でないのならいったい何なのだ?