ベビーパウダー(タルカムパウダー)と言えば、子供のあせもやただれを防止するために肌に塗る粉末だ。
しかし、あるイギリス人女性はそのベビーパウダーを毎日『食べている』というのだ!その期間、なんと15年間(゚o゚;
いったいどうして彼女はそのようなものを食べるようになってしまったのだろうか?
ベビーパウダーへの強烈な衝動
photo by METRO
イギリス・デヴォン州ペイントンに住むリサ・アンダーソンさん(Lisa Anderson/44歳)は、15年前から毎日ベビーパウダー(タルカムパウダー)を食べずにはいられなくなってしまったという。
リサさんが一日に摂取しているベビーパウダーの量は、多いときで200gにも及ぶ。
彼女がベビーパウダーを食べ始めたのは15年前、5人目の子供を出産した直後だったという。赤ちゃんを入浴させた後ベビーパウダーを使おうとしたところ、突然その爽やかな匂いに『強烈な衝動』を感じたのだそう。
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その時のことをリサさんはこう語ってくれている。
「ボトルの蓋から少しだけベビーパウダーが落ちていたんです。突然『これを食べたい』という衝動に駆られ、それに抗うことはできませんでした。
それを少し手につけて舐めただけで幸せな気持ちがして、それはまさに当時の私が求めていたものだったんです。自分でも知ることのなかった欲望をパウダーが満たしてくれたんです」
ベビーパウダーには発がん性の可能性が
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それ以来、彼女は毎日ベビーパウダーを食べずにはいられなくなってしまい、現在では30分に一度はベビーパウダーを食べたくてしかたがなくなるのだそう。
しかし、ベビーパウダーには、『滑石(かっせき・タルク・talc)』と呼ばれるミネラルやシリコン、マグネシウムなどを含んでおり、吸引や摂食をすることで低血圧や痙攣、下痢、嘔吐だけでなく、胸痛や肺不全などを引き起こす可能性があり危険だ。
過去にはベビーパウダーからアスベストが検出されたこともあり、発がん性の有無が取りざたされたこともある。
アメリカでは、長期間女性器にベビーパウダーを使用し続けた女性が卵巣がんになり、その原因はパウダーにあるとして大手製造メーカーであるジョンソン・エンド・ジョンソン社を訴えるケースが増えている。
素敵な石けんのような味がする
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彼女はお気に入りのジョンソン・エンド・ジョンソンの大きな500g入りベビーパウダー2本を、わずか10日ほどで完食してしまうという。
時には、200g入りの小さなボトル1本を1日で消費してしまうこともあるようだ。この15年間のあいだにベビーパウダーに費やした費用は約100万円(€8000)。
「少しおかしいとは思っていますが、これはただ素敵な石けんのような味がするだけです」
そしてリサさんは夜中に寝ているとき、4回は無性にベビーパウダーを食べたくなって目を覚ましてしまうらしい。
外出時は、ベビーパウダーを食べるわけにはいかないので、代わりに強烈なミントを持ち歩いて欲求を満たしているという。
食用でないものを食べたくなる異食症
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15年間の間に何度か『パウダー食』を止めようと思ったこともあったそうだが、ベビーパウダーを口にせずにいられた最長期間はたったの2日。
その2日間はリサさんにとって『人生で最悪の時期』だったそうだ。
リサさんはこの悪癖を長い間周囲に隠していたのですが、5年前にやっと当時のパートナーに打ち明けることができ、昨年ついに専門医に相談することができた。
医師の診断は『異食症』という紙や土など食べ物でないものを無性に食べたくなる精神病であり、今月から治療のためのカウンセリングが始まるとのこと。
ちなみによく無性に氷を食べたくなる症状を持つ人もいるだろうが、あれも『異食症』の分類に入る。
15年もかかってしまったが、やっとリサさんも自らの健康の大切さに気づけたのは本当によかった。
タバコでも酒でも依存症を克服するのはなかなか難しい。早く彼女の異食症が治ることを祈るばかりだ(´д`)
Reference : METRO