ワラウクルミ

沖縄『チビチリガマ集団自決』の歴史と少年たちの身勝手な行動

suicide

2018年4月7日、73年前の沖縄戦で住民83人が『集団自決』に追い込まれた沖縄県読谷村(よみたんそん)の洞窟『チビチリガマ』で慰霊祭がありました。昨年9月には、地元の少年らによる洞窟内の遺品の破壊行為があり、その事件後、初めての慰霊祭でした。

慰霊祭終了後には、遺族会長から犯行に及んだ少年4人の内、3人の謝罪文が読まれています。

今回は、沖縄県民の中でも忘れ去られようとしている『チビチリガマ集団自決』についてと、少年たちの起こした事件の経緯とその後についてお話ししていきます。

狭い自然壕の中で起こった凄惨な事件の初日

chibichirigamaphoto by 大陸浪人

1945年4月1日、太平洋戦争末期の沖縄県読谷村にアメリカ軍が進軍を開始していました。

アメリカ軍が沖縄本土に上陸する前の3月23日から3月31日までは、夜通しで爆撃機による上空からの爆撃が行われていたため、沖縄住民は爆撃が襲ってくるたびにガマ(自然壕)へ逃げ込んでいました。

上陸当日の午前9時半頃、アメリカ軍が『チビチリガマ』へ到着すると、米兵たちはガマの入り口まで降りて「デテコーイ」と片言の日本語で呼びかけます。さらに、水も食料もあると言ってきます。

しかし、当時の沖縄県民にとってアメリカ・イギリス兵は「鬼畜米英」などと教えられていたため、当然のことながらみな、ガマから出ることはなく、ガマ内にいた総勢約140人はパニックに陥ります。しかし、その当時18歳だった女性が

「アメリカに怖れることはない。竹槍で戦いましょう」

という言葉でみな落ち着きを取り戻しました。

当時、日本では物資が不足している中で、多くの住民が竹槍での戦術を訓練していました。その辺に生えている『竹』を使った戦法。

その時代の人からしてもそんなものでアメリカ兵と対峙できるのか?と首を傾げる人も多くいましたが、それに頼らざるを得なかったというのが当時の現状でした。

竹槍photo by Wikimedia Commons

そして、多くの住民が竹槍を唯一の武器として、ガマの中へ持ち込んでいました。

その時、住民はアメリカ軍が沖縄本土に上陸したことをまだ知らず、どうせアメリカ兵は空から落下傘で降りてきただけで人数も少ないだろうから十分戦えると考えていました。

そして、勇敢な住民数人が2メートルほどの竹槍を持って、

「殺せーっ!」「やっつけろーっ!」「天皇陛下、万歳!」

と口々に叫びながら、ガマから飛び出して突撃していきました。

しかし、外のアメリカ兵たちは7メートル上のガマの崖上に並んでいたため、住民たちの竹槍は届くことはなく、アメリカ兵たちは、武器を持っていた日本人たちを容赦することは出来ず、やむなく、機関銃や手榴弾で殺してしまいます。

その日、アメリカ兵たちはガマにいる人々の救出をあきらめ『安心して出てきなさい』と書かれたビラと一緒に煙草やチョコレート、缶詰を置いていったのですが、誰もビラの言葉を信じず、食べ物を口にする人も一人もいませんでした。

当然ですよね。つい昨日まで砲弾を雨あられのごとく撃ち落としていた人間たちに「安心して出てきなさい」なんて言われてホイホイと出ていく人なんていませんから。『どうせ殺されるんだ』という思いが、ほとんどの住民たちの頭の中を覆っていたことでしょう。

chibichirigamaphoto by 大陸浪人

そして、元日本兵だった男が、アメリカ兵に無残に殺される前にと考えてからか、入り口に積み上げていた布団の山に火をつけ、集団自決しようとします。しかし、一人の女性が炎に飛びかかり、火を消してしまいました。

立派な日本人として名誉ある死を求めた男の行動と、どうせ殺されるとは思いながらも、最後まで望みを捨てない女性の行動。どちらの行動も誰にも批判することはできませんね。

2日目の地獄絵図と空の光を見た人々

翌4月2日、住民たちはガマの中で耐え忍び続けました。しかし、ガマの狭い空間の中に約140人もの人が密集しており、入り口は布団などでほとんど塞がれていたため風が通らず、みな酸欠状態になっていました。

そして午前8時頃、再びアメリカ兵たちがやってきて「デテコーイ」と外から呼びかけます。

しかし、昨日火をつけた元日本兵が「みんな、だまされるな。出ていったら殺されるぞ。出て行っちゃダメだ!」と声をかけ、みな彼の言葉を信じて外に出ようとはしませんでした。

それから、ある娘が母親に「殺して、お母さん」と頼みます。そして、母親は自分の娘の首を刺し、その後で自分の息子を刺し殺してしまいます。

その後、自決の連鎖が始まってしまうのです。

自分の子供に布団をかぶせて、そこに火をつけて殺す母親。

毒の注射針を持っていた看護婦に殺してもらうために、列に並ぶ人々。

背中を刺された子供は、すぐに死ぬことが出来ず、「痛いよ。痛いよ」と呻きました。

極限の状態に置かれた住民たちの心境がどのようなものだったのか、私には想像することしかできません。それは『戦争を知る人々』でしか、彼らの心の内を本当の意味で理解することは出来ないでしょう。

chibichirigamaphoto by 大陸浪人

そんな状況で、昨日火をつけた元日本兵は再び布団に火をつけ、ガマの中は炎と煙で充満し始めました。当然、息苦しさで喘ぎ始めた残りの住民たちは、「煙で苦しむよりは、外に出てアメリカ兵たちに撃たれて死のう」と考え、外へ飛び出しました。

明るい光。澄んだ空気。これで楽に死ねる・・・・・・

しかし、その覚悟を決めた人々を待っていたのは、銃弾ではなくアメリカ兵からの拘束でした。結果的に、煙から逃れた人々が助かったのです。

その後、住民たちは収容所へ移送されました。

チビチリガマへ入った約140人の内、83人もの人が自ら命を絶ちました。そして、その過半数は子供でした。その惨状は目を覆いたくなるほどのものだったでしょう・・・・・・悲惨な歴史です。

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チビチリガマを荒らした少年たち

沖縄県中部在住の16歳、18歳、19歳の無職の少年と、17歳の型枠解体工の少年は、2017年9月、ガマの入り口の看板を引き抜き、「世代を結ぶ平和の像」の石垣を破壊し、千羽鶴を引きちぎり、ガマ内に置かれた骨壺などを割って遺灰を散乱させました。

chibichirigamaphoto by 大陸浪人

全員、器物破損容疑で逮捕され、保護観察処分となりました。

動機はなんと「肝試し」。あまりの子供じみた理由に言葉がありません。さらに、彼らは、チビチリガマの歴史そのものを知らなかったという・・・・・・沖縄県の学校では、この歴史についてちゃんと教育しているとは思いますが、どうなのでしょう?

リス氏

リス氏
彼らが単に授業を真面目に受けていなかっただけなのかな?
ワラウクルミ

ワラウクルミ
うーん、この点は少し腑に落ちないな〜(-_-;)

少年たちは、逮捕後すぐに謝罪文を書きました。おそらく警察官や遺族からチビチリガマがどのような場所だったかを聞かされたのでしょう。つたない文章で謝罪文はこのように書かれていました。

「ガマで何があったのかを知ると、人間としてやってはいけないことをしてしまった」

「逮捕された時からずっと手の震えや、心の奥から誰かに押しつぶされた感覚があるが、被害者の方々はこれの何倍か」

「どういう場所か知らず、遊び半分で行き、破損してしまいました。どうか許してください」

「謝って済む問題でないのはわかっています」

「二度と人を傷つけたりしません」

chibichirigamaphoto by 大陸浪人

そして、2017年12月上旬、少年たちはチビチリガマの遺族の方々とガマの前で面会し、うつむいたまま「こんなことをして大変申し訳ありませんでした」と謝罪。

2018年1月下旬には、彫刻家・金城実さんの指導の下、少年たちは3日間かけて自分たちが壊した野仏の頭部や腕を制作し、ガマの歴史を改めて学習しました。

野仏をガマへ安置後、最年長の19歳の少年は、

「反省して立派な大人になります。チビチリガマのことも伝えていきたい」

と遺族の方々に誓いを述べています。

『若気の至り』にしてはあまりに行きすぎた行為だったことは確かですが、彼らはまだやり直すチャンスがあります。戦争を学び、人の生と死を学び、彼ら自身の道をしっかり見極めて欲しいですね。

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