みなさんもオゾン層が破壊され、北極や南極の上空にオゾンホールができ、それが年々大きくなっていたことはご存じだったと思います。
しかし近年、そのオゾン層が回復傾向にあり、研究者は2060年頃には地球全体のオゾン層が回復すると国連は予想しています!!
1980年代後半に採択されたモントリオール議定書が功を奏したのか?
『オゾン層』とは?
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オゾン層は、太陽から降り注ぐ有害な波長の紫外線の多くを吸収し、地上の私たち人間のみならず、多くの生態系を保護する役割を果たしています。
しかし、車や工場などから出る有害な化学物質により、オゾン層は深刻なダメージを受けていました。
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1970年代からオゾン層の観測が始まり、それにより地球のオゾン層がどんどん失われていることが分ったのです。
ダメージを受けたオゾン層は、地球温暖化を促しただけでなく、白内障や皮膚がんなどの病気のリスクまで増加させ、最悪な時期とされた1990年代後半は、オゾン層上層部の10%が破壊されたといわれています。
『モントリオール議定書』とは?
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そこで1987年、世界各国の代表がカナダ・モントリオールに集い『モントリオール議定書』を採択。
議定書は、オゾン層を破壊するおそれのある物質の製造・消費および貿易を規制を目的としたもので、各国はそれに従い、これまでやりたい放題やって来た環境破壊の数々を規制し始めました。
2060年頃までに地球全体のオゾン層が回復か?
そのお陰もあってか、最新の『NASAゴダード宇宙飛行センター』の報告書によると、2000年中頃からオゾン層は10年毎に1〜3%の割合で回復傾向にあるというのです!
このため、このままいけば中緯度や北半球のオゾン層は、2030年代の半ば頃までには完全に修復され、南半球も2050年代までには回復すると国連は考えています。
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加えて、オゾンホールが懸念されている北極や南極地域のオゾン層も2060年代までには修復するとみられています!
今回の報告書の共同著者である『NASAゴダード宇宙飛行センター』のポール・ニューマン氏(Paul Newman)は、次のようにコメントしています。
「これは本当に素晴らしいニュースです。もしオゾン層を減少させる物質が増加し続ければ、私たちはその大きな影響を目の当たりにしていたでしょう。でも、私たちはそれを食い止めることが出来たのです!」
南極のオゾンホールも16%も縮小!
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今年2018年の観測によると、南極にできたオゾンホールは合計で2500万平方キロメートルとなり、2006年のピーク時に比べて16%も縮小!
国連環境計画事務局長のエリック・ソルハイム氏(Erik Solheim)も、「モントリオール議定書は、歴史上最も成功した多国間合意の1つです」と語っています◎
モントリオール議定書の加盟国も、現在では197カ国となり、先進国だけなく途上国も参加して規制を実施。
また2016年にルワンダの首都キガリで採択された『キガリ改正』では、2019年1月1日からエアコンや冷蔵庫、その他の関連製品に使用されている有害な気候温暖化ガス「HFC(ハイドロフルオロカーボン)」の規制をより強化することになるそうです。
この改正により、58カ国がHFCの80%の削減目標を掲げています◎
近年の異常気象には、心配させられることが多々ありますが、それでもこのような知らせを聞くのは嬉しいものですね!
それでも、一人一人がCO2削減のために、電気や水の使用を押さえたり、車をハイブリットカーなどに買い替えるなどの努力を忘れてはいけません。
Reference : euronews. | The Guardian