ワラウクルミ

毒薬で無残に殺された象たちと密猟と戦うアフリカの女性隊員たち

アカシンガ

アフリカには、多くの種類の動物たちが棲息しています。しかし、その動物たちの平和な生活を脅かす存在がいます・・・・・・私たち人間です

今回は、私が体験したハンターの自宅での出来事や、アフリカで行われている密猟の実態とその理由、そして女性による反密猟武装部隊アカシンガ』について話していこうと思います。

thumbnail photo by BBC News Japan

ハンターの自宅で見た驚愕の光景

昔、欧米諸国の人々は、レジャーとして、またはスポーツとしてのハンティングをアフリカで盛んに行っていました。ハンターたちは、ハンティングされた動物たちの皮や角だけを剥ぎとって自国へ持ち帰ることも出来ました。

私のアメリカの知り合いで、祖父の代からハンティングをやっているという方がいるのですが、その方の自宅には、彼の祖父が討ち取った動物たちの剥製がリビングの壁や床に所狭しと置いているのです。

私が初めて彼の家を訪れたとき、玄関から入ってすぐのリビングで、トムソンガゼルマウンテンゴートなどの頭部の剥製が壁一面に掛かり、頭部に膨らみをつけ大の字に広がった雌ライオンの大きな毛皮が床に広がり、の足の剥製で出来た椅子が置かれているなど、私はそのリビングに立ったとき、あまりの光景に愕然とし、少しのあいだ言葉を失っていました。

ハンター

 

隣にいた家主の男性に何も言わずに突っ立っているのは失礼だと思い、私は「Wow! Great!」と適当な返事をしました。

しかし、彼はその言葉に満足したらしく、動物たち一つ一つの説明をしてくれたのですが、私は時々相づちを打つだけで彼の説明をほとんど聞いていませんでした。

私は、壁に掛かったガゼルやゴートの目を見つめ、地べたに広がった雌ライオンの頭を撫で、象のごつごつした皮膚を触り続けていました。

もちろん一部のハンティング愛好家たちだけがこういうことをしていたのですが、それだけでも動物たちにとっては十分『』なのです。しかし、ハンティング愛好家たちからすれば『この世は弱肉強食』となるのでしょう。

ただ、彼らは討ち取った獲物の皮や角だけを剥ぎとり、肉や骨はそのままそこへ放置していくのです。肉自体を食べてないわけですから、『強食』という言葉は使えませんね。まあ、日本語の範囲内ではということですがf^_^;)

のちに、世界各国でアフリカからの動物輸入の取り締まりが格段に厳しくなり、昔のようにアフリカへハンティングをしに行く人々が激減しました。本当にいいことです。

しかし、そこに登場したのが『密猟者』たちです。

毒物を使って動物たちを殺す密猟者

密猟者たちは、闇に乗じて象やサイなどを容赦なく銃殺し、牙や角だけを剥ぎとって死体をそのままにして立ち去っていきます。動物たちの死体は腐乱し、大きく膨れあがった無残な姿で放置されてしまうのです。

象の骨photo by Al Jazeera English

さらに2012年頃には、ジンバブエワンゲ国立公園で猛毒である『シアン化合物』による象の大量殺戮がありました。象たちが利用する水場や塩なめ場、下草などに毒薬を撒いたのです。

ジンバブエには、いくつもの鉱山があり、鉱石から金を取り出す際にシアン化合物が用いられています。密猟者たちのほとんどは、他国の人間から委託された地元民

なので、彼らは、致死率が高い劇薬のシアン化合物を仕事場から容易に入手し、ストレスもなく、かつ労力を払わずに動物を殺すことができたのです。しかし、この方法はあまりにも残虐的でした。

象の死骸photo by Al Jazeera English

さらに、彼らがターゲットにしていたサイや象たちだけでなく、バッファローやアンテロープなどの他の動物たちも被害にあったことでしょう。

そして、よくわからないまま意識を失い、息絶え、牙や角だけを剥ぎとられたサイや象たち。当然、自然界でそのような死体が転がっていると、ライオンやハイエナ、ハゲワシたちはそれらに群がります・・・・・・それが、毒にまみれた肉だとは気づかずに・・・・・・

象photo by Al Jazeera English

いつの世も人間は法をかいくぐろうと試み、いかなる手を使ってでも闇の道を見つけ出すものですね。

アジアの象牙需要と密猟狂の人々

アジア圏では、象牙やサイの角が高く取り引きされており、そのため密猟が後を絶ちません。それらの末端価格は、金と同じ価値、もしくはそれ以上と言われています。

近年、特に中国では金の需要が急上昇しており、装飾品としても象牙の需要も金と歩調を合わせて増加しています。

それからもう一つの要因は、漢方薬材料としての象牙とサイの角の需要です。こうした漢方薬は、今では中国人社会ばかりでなく、他の民族の間でも人気が高まっており、香港の漢方医師によると、象牙は肝臓がん、サイの角はいくつかのがんの治療に使われているようです。

ニュースで有名になった密猟の例を2つ挙げましょう。

ドイツ人のあるハンターは、6万ドル(約650万円)もの大金を支払って、アフリカ南部一帯の国々でこれまでに目撃されたうちで最も大きな象一頭を合法的に仕留めたというニュースもありました。

アフリカ象の寿命は、60〜70年と言われています。おそらくこのくらい長生きしていた象を、自らの楽しみのためだけに撃ち殺したのです。ガイドの地元民とがっちり握手している写真を見つけました。腹立たしく思うのは私だけでしょうか?長いあいだ多くのものを見てきたこの象の瞳には、もう何も映っていません。

ドイツ人ハンター、象を狩猟photo by CNN News

さらにジンバブエワンゲ国立公園で人気者だったライオンの「セシル」を、米ペンシルベニア州の歯科医師・ウォルター・パルマーが射殺。もちろんそれは不法な狩猟でした。

セシルphoto by ABC News

ウォルター・パルマーphoto by ODN

女性による反密猟部隊『アカシンガ』

そこに、デイミアン・マンダー氏が『アカシンガ』というアフリカ唯一の女性による反密猟武装部隊を創設します。彼女たちは、ジンバブエとザンベジの国境付近にある『ロウワー・ザンベジ国立公園』で密猟集団を取り締まっています。

多くの密猟者は、夜間に行動するため、彼女たちも夜間に取り締まりを行います。

取り締まり現場へ向かう女性隊員たちに、記者が「怖いですか?」と尋ねると「まさか!何が怖いの?どうして?」と、彼女たちは笑顔で答えています。たくましいですね!私ならきっと「怖いです」と素直に答えてしまいそうですf^_^;)

男性ではなく女性を採用した理由は、女性の方が男性よりも買収されにくく、女性を通じて取り締まり活動を行うことで、地域の信頼を得ることができ、長期的な解決策に繋がるとデイミアン氏は語っています。

アカシンガ隊員の多くは、虐待サバイバーシングルマザーであり、強い精神と意思を持っていると私は感じました。彼女たちの活躍がきっと多くの動物たちを守ることでしょう。

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