ジョージアのチャルトゥボ(ツカルトゥボ)では、旧ソ連時代に建てられた豪華なホテルがいくつも存在するのだが、そのほとんどが今では廃墟と化している。
その後、ジョージア国内で起きた内乱により追いやられた難民たちが、住み処を求めてその廃墟ホテルにたどり着き、今でも住んでいるというのだ。
今回はその現状と未来について軽く話していく。
廃墟と化した旧ソ連のホテルに住む難民たち
photo by BBC News Japan
ジョージアにあるチャルトゥボ(ツカルトゥボ/Tskhaltubo)は、旧ソビエト連邦時代に温泉街として栄えた。
20軒以上あるホテル群は、ソ連の労働者たちや共産主義のエリートたちの休養地として利用されていた。加えて、ホテルは長期的な病を抱えた人たちを休ませるための療養地(サナトリウム)としての役割もあった。
中には、旧ソ連の元首相ヨシフ・スターリンが手がけ、足繁く通った温泉もあったという。
しかし、その栄光は今では見る影もない。
1991年のソ連崩壊後、ホテル群は閉鎖され、廃墟と化していったのだ。
photo by BBC News Japan
その後、ジョージアはソ連から独立するのだが、1993年に『アブハジア紛争』という内乱が起き、20万人が家を追われ難民となってしまった。
その難民たちの中には、廃墟と化したチャルトゥボに住み処を求めた人たちが数多くおり、現在でも廃墟に住み続けている。
難民たちは、当初数ヶ月程度しかそこに住まないだろうと考えていたのだが、中には紛争後からずっと、つまり27年間も廃墟ホテルに住んでいる家族もいるという。
動画とチャルトゥボの未来は?
いつ、どんな場所でも争いごとが生み出すのは悲惨な結果だけだ。↓
補足ではあるが、もしかしたら「ジョージアってどこ?缶コーヒー??(笑)」という方のために、下に地図を添付しておく( ̄^ ̄)ゞジョージアは黒海とカスピ海にはさまれた場所に位置するぞ。↓
チャルトゥボでは、今でも33度〜35度の源泉かけ流しラドン炭酸鉱泉が湧く温泉地・リゾート地という観光材料がある。
動画の最後のほうでも言っていたが、チャルトゥボいくつかのホテルでは徐々に観光地として光が差し始めており、ジョージア政府も数百万ドルを投じて他の廃墟となったホテルや町の改修する予定だという。
そのためには、未だ廃墟ホテルに住み続けることを余儀なくされている約1万1世帯の難民たちの移住が重要課題となりそうだ。
平和な日本では本当に考えられない光景。
ジョージアの難民たちが、ちゃんとした住まいや仕事を見つけることができる日を切に願うばかりだ( ̄^ ̄)ゞ