ロシア人のある母親は、脳症麻痺を患った自分の娘が夜中に泣き止まないことに腹が立ち、少女の唇を噛みちぎるという事件が発生。
母親は逮捕され、少女は治療後に里親の元で養子として幸せな暮らしを送っていたのですが、その後まもなく心不全で亡くなってしまいました。
こんなこと絶対あってはいけない。何があっても大人が子供に暴力を振るってはいけない。全国の親たちに知って欲しい話です。
娘の唇を噛みちぎったロシア人の母親
2015年、西中央ロシアのスヴェルドロフスク州・レヴダで、母親のルドミラ・スペシヴシーバ(Ludmila Spesivtseva / 33歳)と、娘のカチヤ(Katya / 6歳)ちゃんは2人で暮らしていました。
カチヤちゃんの父親は、彼女が生まれてまもない頃に家を出てしまい、ルドミラはシングルマザーとしてカチヤちゃんを育ててきたのです。
カチヤちゃんは、生まれたときから『脳症麻痺』を患っており、知的障害、行動障害、視覚障害、難聴、けいれん性疾患など様々な症状に苦しんでいました。
そしてある日の夜中、ルドミラはカチヤちゃんの泣き声で目が覚めます。
おそらくその日が初めてではなかったはず。「またか」という思いがルドミラの脳裏に浮かび、怒りがこみ上げてきました。
「黙れ!!!」
そう怒鳴ってカチヤちゃんを叩き始めるルドミラ。しかし、カチヤちゃんは母親に殴られる恐怖と痛みでさらに大きな声で泣き出してしまいます。
怒りが頂点に達したルドミラは、なんとカチヤちゃんの下唇に噛みつき、そのまま食いちぎってしまったのです!!
photo by THE Sun
虐待は長いあいだ行われていた
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さらにルドミラは、口の周りが血だらけになったカチヤちゃんを、そのまま数日間にわたって放置。数日後に救急車を呼ぶまで、痛み止めすら与えなかったそうです。
カチヤちゃんのその数日間の激痛と心のショックのことを考えると、胸が締めつけられる思いです。
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カチヤちゃんは、搬送先の病院で手当てを受けていたのですが、その際処置を行った医師らは、ルドミラが下唇だけでなく鼻までも噛みちぎろうとした形跡があることを発見。
さらに、カチヤちゃんの体には、古いものから新しいものまで多くのアザがあったというのです。
加えて彼女は、外的な傷だけでなく、母ルドミラの育児に対しての無関心やケアの不十分により、かなりの精神的ダメージも受けていたことが分かり、1年間にわたって複数の病院で治療を受け続けました。
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ルドミラは、実の娘カチヤちゃんへの暴行により懲役4年の判決を受け、彼女はカチヤちゃんの親権を失っています。
楽園のような里親との暮らし
そんな悪夢が続いたカチヤちゃんにも、光が降り注ぎます。
カチヤちゃんは、南西ロシアのクラスノダール・クリィにある黒海のリゾート地アナパに住むアンナ・マカロヴァ・ベスパロワさん(Anna Makarova-Bespalova)により、養子として迎えられることになったのです!
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長年、母親から暴力を受け続けてきたカチヤちゃんにとって、アンナさんとの暮らしはまるで楽園のようでした。
・・・・・しかし、その楽園も長く続かなかったのです。
9歳という若さでの早すぎる死
アンナさんと暮らし始めて1年後、カチヤちゃんは突然の心不全により、わずか9歳という年齢でこの世を去ってしまったのです。
カチヤちゃんの急な逝去に、アンナさんは取材にこう答えています。
「私たちは、カチューシャ(カチヤちゃんのニックネーム)が私たちのもとを去るということに対して、まったく心の準備が出来ていませんでした」
「私たちと一緒にいた時間はそれほど長いものではなかったのですが、今、彼女を失ったことで私たちの家族は、悲しみの底に沈み込んでいます」
もちろん、仕事と娘の病気のケア・育児に追われていた母ルドミラのストレスは、相当なものだったことでしょう。
しかし、幼児虐待は、どんな世界でも、どんな時代でも絶対に許されない行為です。
みなさんも、自分の子供に対して一度は腹が立ったことがあるとは思います。しかし、今あなたの目の前にいる小さな命は、まだまだこれから多くの事を学び、成長し、色んな経験をしていかなくてはなりません。
当然のことですが『大人は子供を守るのが使命』です。
母親からの暴力により、9歳という若さで亡くなってしまったカチヤちゃんの魂が、違う世界で幸せに暮らしていることを私は祈っています。
Reference : THE Sun