あなたは、「人食いバクテリア感染症」なるものをご存じでしょうか?
その名の通り、発症すると肉体の末端である手足の先から腐らせていくという、何とも怖ろしい病気なのだ。
死亡率3割とも言われている恐怖の感染症から、奇跡的に生還した1人の米男性についてと、この病気について少し話していこう。
※記事内には若干ショッキングな写真や映像が含まれていますので、苦手な方は閲覧をお控え下さい。
あっという間に人を腐らせる人食いバクテリア
photo by sci-news.com
それらを引き起こす細菌は数種類存在しており、中でももっとも一般的なのは「A群連鎖球菌(化膿レンサ球菌)」というもの。
正しくは、細菌は人の肉を食らうのではなく、毒素を出して、それが細胞組織を液状化させます。医学的には溶連菌感染症のもっとも重症な病型「壊死性筋膜炎」と呼ばれています。
A群連鎖球菌は、私たちの身の回りにありふれて存在しており、人間の喉にもよく生息しています。
普段は何の害も及ぼさないのですが、時に咽頭炎やしょう紅熱を引き起こし、組織を壊死させることもあります。
この感染症はきわめて急速に進行し、高熱、全身状態の不良、局所の腫脹・疼痛をひきおこします。そして、指先や足先など四肢の末端部から、1時間に数cmもの速さで壊死が進行し、短時間で敗血症や多臓器不全を引き起こします。
死亡率は30%以上と高く、一般に『人食いバクテリア感染症』と呼ばれているもののうちの一つです。
そんな悪夢のような感染症が、あるアメリカ人男性を襲います。
人食いバクテリアで四肢を失った米男性
photo by inquisitr.com
2016年のクリスマス。ケヴィンはひどい風邪を引き、激しい喉の痛みを感じ始めます。
そして、以前にかかったことのある虫垂炎と同じ痛みを感じ始めたので救急医療室へ駆け込み、色々な検査をするも原因が分からず、ケヴィンの容体はひどくなっていく一方でした。
熱はみるみる上昇し、それに伴ってとてつもない痛みが彼を襲い、遂には歩くことさえ出来なくなってしまいます。
そして、彼のお腹がどんどん膨れてきたのです!
人食いバクテリアと呼ばれる連鎖球菌が、ケヴィンの喉からお腹へ移動し、全身に転移したことが分かったときには、彼の四肢は黒く腐り始めていました。
※下の動画はショッキングな映像となっています。苦手な方はご視聴をお控え下さいm(_ _)m↓
しかし、ケヴィンの妻と娘は献身的な看病を続けています。特にケヴィンの妻、ジュリーの明るさと前向きな姿勢には本当に驚かされます。
アウトドアスポーツが大好きで非常に活発だったケヴィンなら、きっと今の彼でも出来るスポーツを見つけ、新しい再出発を始めることでしょう!