ワラウクルミ

ドラマ「ゼルダ〜すべてのはじまり〜」墜ちてゆく現実の先は・・・

ゼルダ

Amazonスタジオが提供する「 ゼルダ 〜すべてのはじまり〜」のエピソード4までを見終わった感想です。

1920年代のアメリカを代表するカップル

世界的に有名な作家なF・スコット・フィッツジェラルドと、アメリカ南部で一番の美女と言われていたゼルダ・セイヤーとの出会いと、その波乱に満ちた生活を克明に描いたTVシリーズです。

F・スコット・フィッツジェラルドと言えば、「グレート・ギャツビー」の著者として知っておられる方も多くいらっしゃるとは思いますが、その妻であったゼルダの存在があったからこそ、スコット・フィッツジェラルドという作家が誕生したと言っても過言ではないと私は思います。

スコットの才能は同時にゼルダの才能でもあったのです。その理由をこのTVシリーズはわかりやすく伝えています。

ゼルダ ~すべての始まり~ (字幕版)

※これ以下の記事はあらすじ、ネタバレを含みますので視聴前の方はをお気をつけ下さい。

南部一の美女とハンサムな中尉

アメリカ南部アラバマ州モンゴメリー。時代は第一次世界大戦まっただ中。田舎町のモントゴメリーにも多くの訓練兵たちが滞在し、町は普段にはない賑やかさで埋め尽くされていた。

兵士たちは、訓練が終わると夜はモンゴメリーの女性たちと酒を飲んで踊る毎日。主人公のゼルダはその中でも際だった存在で、多くの兵士たちからダンスの誘いを受けていました。

そして、多くの兵士たちはゼルダをものにしようと口説こうとするのですが、当のゼルダはまったくその気はなく、楽しい時間を過ごすことだけがすべてでした。彼女は、何もない田舎のモンゴメリーにうんざりしていました。

土地はどこまでも平たく続き、夏はうだるような暑さ。簡素な造りの家が建ち並び、砂埃があたりにたちこめる。多くの人は知り合いか友達で、噂は光の速度で広まっていく。やることはいつも同じ。「刺激」とはほど遠い世界。伝統重んじ、奇抜なことは敬遠される。

快活さと好奇心に満ちあふれたゼルダが、そのような退屈な土地で生きていくのは本当に辛いことでした。その時の彼女ができる刺激的なことと言えば、せいぜい裸で川に飛び込むことや、色んな男と踊ることだけ。

高層ビルも、ミュージカルも、ジャズクラブもない。あるのは、牧草や馬や牛の匂い。田舎の匂いだけでした。

自由奔放なゼルダ

ゼルダの父親はアラバマ州最高裁判所の判事という非常に高尚な仕事をしており、教育は厳格で、古くからの伝統を重んじる人間でした。

自由奔放な振る舞いをし続けるゼルダを彼女の父親は小さい頃から矯正しようと何度も試みるのですが、彼女は彼女の生き方を揺るがすことはありませんでした。ゼルダは誰に止めることはできなかったのです。

そこにある日、夜のパーティーで訓練兵だったスコット・フィッツジェラルド中尉と出会います。背が少し低いところは気になりはしたものの、彼はプリンストン大学出身の聡明でハンサムな青年であり、ゼルダとスコットは出会ってすぐに仲良くなっていきます。

スコットは、自分がいつかは有名な作家になってニューヨークに移り住むのだとゼルダに熱く語り、ゼルダは真剣な目で夢を熱く語るスコットに心奪われていきます。

しかし、それを聞いた父親は素直に喜べませんでした。なぜなら、父親にとってゼルダは言うことに聞かないじゃじゃ馬娘ではあったものの、愛らしい、彼の大切な6人の子供の1人だという思いが何よりも強かったからです。

作家として大成功したスコット

フィッツジェラルドは、書いた小説を大手出版社スクリブナーズへ送りますが、あえなく落選。ふがいない結果に落胆し、酒を浴びるほど飲みまくりますが、遂に彼の元にも出兵の命令が下されます。

気が動転した彼は、必死の思いでゼルダに結婚を迫りますが、夢を諦めようとし、結果を出していない彼と結婚する気にはなれなかったゼルダは、彼の告白を断ります。

月日は流れ、やっと戦争が終わりを迎えます。

スコットは、小説を何度も書き直し続け、ゼルダは彼に手紙を書き続けます。そして、遂にスコットの小説が出版化されることに。

ニューヨークでの破天荒な生活

ゼルダと母親や姉たちは一緒になって喜んでくれます。

そこに父親が仕事から帰ってきます。ゼルダは、スコットが小説家になったことを父親に伝えると、彼は表情を強ばらせたまま「別に行かなくてもいいんだぞ」と言います。

スコットと結婚してしまえば、遥か遠くのニューヨークへゼルダは旅立ってしまう。いつまでもそばで成長を見守りたかった父親の本当の気持ちに、ゼルダもようやく気づきます。泣けますよね、こういう親の愛は。

そして、遂にニューヨークへ到着したゼルダ。そこから彼女の生活は激変していきます。良くも悪くも、それはゼルダが決心したことでした。

〜 感想 〜

すいません、あらすじが長くなりました。

私は長年スコット・フィッツジェラルドの本を読んでおり、彼の伝記本もいくらか読んできて、彼というものがどれほどゼルダに繋がっているかを知ってきました。そして、それが遂にこうして映像化されたことに嬉しい反面、今まで自分が思い描いてきた2人の肖像画が崩れるのではないかと心配な気持ちもありました。

しかし、それはまったくのいらぬ心配でした。

ゼルダを演じているのは、アダムス・ファミリーで一躍有名子役となったクリスティーナ・リッチですが、見事にゼルダの奔放な快活さを表現しています。観ていて自分の持っていたイメージに引っかかるところがほとんどありませんでした。

ゼルダは本当に美人だったの?

正直、ゼルダのことでずっと疑問に思い続けていることがあります。これは私の個人的な意見なのですが、本物のゼルダ・セイヤーの写真を見るたびに、これが本当に南部一の美女だったと言われるほどの女性だったのか?と毎回首をかしげたくなります。丸顔に少し離れ気味のシャープな眼光。どちらかと言えば特徴的な顔と言えるように思います。

しかし、実際に南部一と言われていたということは、当時の風潮がそういう女性を美しいとしていたのかもしれませんし、彼女の見た目というよりは彼女の振るまいに男性たちは魅力を感じていたということなのかもしれませんね。

ゼルダ の求めたものとは?

ゼルダはスコットと肩を並べられるほどの、知性と感受性と表現力を持っていたと私は思います。彼女が書く手紙のフレーズを、スコットは自分の作品に度々取り込んでいきます。

しかし、ゼルダは何かを成し遂げたり、まとめ上げるということに興味が持てなかったのです。始めたもののほとんどを途中で投げ出し続けました。バレエをやってみたり、絵を描いたり、小説も書こうとしましたが、どれも最後までやり遂げる情熱を保ち続けることができなかったのです。

若い彼女は常に刺激を求め続け、一つのことに集中して、それを形あるものにするということに興味が持てなかったのです。そして、その刺激へ欲求は次第に歪みを生み出し始めます。そして、スコットと共に2人は歪みの中に閉じ込められていくのです。

ゼルダ ~すべての始まり~ (字幕版)

Amazonビデオで配信中です!興味のある方はぜひ!英語版ですが、予告編をどうぞ。

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