ワラウクルミ

あなたが知るべき『ホロコースト』についてのわかりやすいまとめ

いったいなぜ『ホロコースト』のような残虐なことが行われたのか?

第二次世界大戦中、なぜドイツ・ナチス党はユダヤ人などを大量虐殺しなくてはならなかったのか?そこには「宗教」という大きな壁と、思い込みが生んだ「洗脳」が大きく関係していたのです。

今回は、第二次世界大戦中にナチス・ドイツが行った『ホロコースト』について分かりやすくまとめてみました。

ユダヤ人迫害の歴史はもっと昔から

まず、ユダヤ人への迫害はホロコーストが最初ではありません。

遙か昔から行われていたのです。

なぜ、ユダヤ人がそのような立場に追い込まれることになったのでしょうか?それは、宗教問題が大きく絡んできます。その中でも最も重要な人物は、みなさんもご存じの

 

『イエス・キリスト』

 

です。

イエス・キリスト

 

イスラエルに住んでいたユダヤ人ナザレのイエスは、当時の自身の宗教であるはずのユダヤ教を批判し、人々に違う『神』の教えを説いていました。

しかし、ユダヤ教を重んじるユダヤ人にとって、イエスの考える新興宗教『キリスト教』は異端でしかありませんでした。

西暦30年。その頃はローマ帝国がヨーロッパから中東の方までを広く支配しており、イスラエルもその一部でした。

死刑の権限を持たないユダヤ教指導者たちは、支配者であるローマ帝国へ「イエスは反逆者」だと伝え、イエスはエルサレムのゴルゴタの丘十字架に磔になって処刑されてしまいます。

それから、キリスト教は世界中に爆発的広がりをみせるのです。

そして、キリスト教徒のあいだで

 

『イエスを密告したユダヤ人たちは許せないぞ!』

 

という考え方が高まっていき、ユダヤ人たちは迫害を受け始めます。

これが、ユダヤ人迫害の始まりです。

ヒトラーのとんでもない思想が現実化

第一次世界大戦に敗北したドイツでは、敗戦の原因がユダヤ人にあるという見方が広まっていました。

そこに登場したのがアドルフ・ヒトラー率いる『ナチス国家社会主義ドイツ労働者党)』でした。

アドルフ・ヒトラーphoto by T.J. Hawk

ヒトラーの著書『我が闘争』では

 

「ユダヤ人問題の認識と解決なしには、ドイツ民族体再興の企ては無意味であり、不可能である」

 

と書かれており、彼の思想は一気にドイツ国内を支配していきます。

さらにナチスは「ユダヤ人は第一次世界大戦の張本人であり、ドイツ人を含むすべての民族の破滅を狙っている」という考え方をドイツ国民に流布し、どんどんユダヤ人の立場を危ういものにしていきます。

1935年9月に制定された『ニュルンベルク法』によって、ユダヤ人はドイツ国民としての権利を剥奪され、ドイツ人のと結婚や性行為が禁止されてしまいます。

リス氏

リス氏
いったい何だよ、それ(-_-;)

(ザクセンハウセン強制収容所へ移送される囚人たち。1938年12月19日↓)

ザクセンハウセン強制収容所photo by Marion Doss

1937年12月からは、ユダヤ人資本の企業や工場は解散、またはユダヤ人以外への譲渡を余儀なくされました。自分が持っていた会社を無条件で奪われていったのです。

ワラウクルミ

ワラウクルミ
まったくとんでもない話だよ・・・・・・

1938年8月17日からは、ユダヤ人はユダヤ人らしい名前をつけることが義務づけられました。例えば「イサク」や「ラケル」「イスラエル」「サラ」といったミドルネームなどです。

さらに、身分証明書には、ユダヤ人だということを示す『Jドイツ語のユダヤ人「Jude」の頭文字)』の文字が記入されるようになり、ユダヤ人の持つパスポートがすべて無効になりました。

ある事件をきっかけに迫害に拍車がかかる

1938年11月7日に、駐フランスドイツ大使館員ユダヤ人青年に殺害される事件が発生。

このことから、武器を持ったユダヤ人を拘束する命令が下され、武器の所有も禁じられました。

加えて、毛皮・宝石類・自動車の保持禁止や運転免許の剥奪、ドイツ人学校からのユダヤ人生徒の排除、食堂車や寝台車の使用禁止、そしてベルリン市内の大規模なユダヤ人立ち入り禁止区域の設定へと繋がっていきます。(ブーヘンヴァルト強制収容所↓)

ブーヘンヴァルト強制収容所photo by pingnews.com

最初の頃は、ユダヤ人をドイツ国外へ追放することを目指していたナチスですが、1939年9月1日のポーランド侵攻後、第二次世界大戦の始まりと共に、徐々に「ユダヤ人の国外追放は生ぬるい」という考え方が強くなり、遂には

 

『徹底的にユダヤ人を殲滅する』

 

という方向へ転換することになったのです。

ホロコースト初期で、最も悲惨な事件の一つをご紹介します。

1941年9月29日・30日、ウクライナ・キエフ近郊のバビ・ヤールで事件は起きました。ナチス軍がこの地域に攻め入ったとき、住民に対して「ユダヤ人は今から移住させるので一旦集合しなさい」と告げ、住民は1箇所に集められました。

そして、住民は長い列に並べられ前から順番に射殺されていったのです。

その虐殺の列は入り組んだ谷を利用していたので、後の列の住民たちにバレずに殺すことが出来たのです。

僅か2日間の間に、3万7000人ものユダヤ人がナチスに射殺され、その後もユダヤ人の虐殺は続き、第二次世界大戦中に約10万人ものユダヤ人がバビ・ヤールで命を落としています。

しかし、射殺する側のナチス・ドイツ兵の精神的苦痛も相当なものだったようで、射殺任務に耐えられない兵士が出てきたのです。

リス氏

リス氏
ナチス兵も人間だからな。10数人の隊員で、何万人と射殺し続けなければいけないなんて気が狂うやつが出てきても不思議には思わねぇ。

効率的に人を殺していくガス室

アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所

photo by Jean-Paul Navarro

ナチス上層部もそのことを理解し始めていたので、もっと簡単に殺せる方法を模索します。そこで編み出されたのが『ガス室』でした。

(アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所へ続く線路。列車にすし詰めにされたユダヤ人たちが毎日のように各地から運ばれてきた。↑)

ガス室とは、一つの大きな部屋に大人数を収容し、毒ガスを充満させて一度に一気に殺すことができるというもので、ナチスのユダヤ人殲滅作戦はこれによって非常に効率化しました。

ナチスにとってユダヤ人はゴミ同然だったようです。

ワラウクルミ

ワラウクルミ
本当にあり得ない話だ(ToT)

(アウシュヴィッツへ収監されていく人々↓)

(アウシュヴィッツへ収監されていく人々)photo by Signe Brockman

そこで、さらに生まれたのが『ゾンダーコマンド』という労務部隊でした。部隊は、ユダヤ人の囚人で構成されており、ガス室などで殺された死体の処理を任されていました。

多くの者は、収容所に連れてこられたときにナチスからその仕事を強制されており、中には自分の家族の遺体を見つけ、それを処理しなければならないという残酷な場面に直面することもあったようです。

彼らがその職務から逃れるには、自殺しか方法がありませんでした。本当にひどすぎる話です・・・・・・

(ガス室で使われた毒ガスのもとである『ツィクロンB』粉末の空き缶↓)

ツィクロンBphoto by Fred Romero

ホロコースト記念日で黙祷を捧げるイスラエルの人々

2018年4月12日、イスラエルの人々は手を止めて、通りにサイレンが鳴る中、2分間の黙祷を捧げました。

第二次世界大戦中、ナチス・ドイツが虐殺した約600万人のユダヤ人を悼むためのものでした。

イスラエルでこの日は『ホロコースト記念日(ヨム・ハ・ショア)』であり、1年で最も厳粛な日です。この記念日は、『ワルシャワ・ゲットー蜂起』という第二次世界大戦中に起きたユダヤ人の抵抗運動の時期に合わせて行われます。

人々は、走らせていた車を停め、歩行者は立ち止まり、その場で静かに黙祷を捧げます。無残に殺されていった数多くの死者の魂が静まることを願って・・・・・・

この記念日は、ユダヤ暦の第一月27日に行われるとされているため毎年日にちが違うのですが、だいたいは4月頃に行われているようです。

まとめ

近年のホロコースト犠牲者数の推定は、ユダヤ人約510万人で、ジプシー、共産党主義者、社会主義者、同性愛者などを合わせて約50万人とされています。

ヨーロッパに住むユダヤ人の約3分の2ホロコーストによって虐殺されました。

たった5年ほどの間に一つの民族をこれほど徹底的に殺してしまうとは・・・・・・ヒトラーという人物、並びにナチスという組織がどれほど単一的な考え方しかしなかったかが分かります。

憎悪の感情から生まれるものに、何一ついいものはありません。

例えそれが宗教的正義という名の下に行われるものだとしても、後に残るのは返り血を浴びた衣服を着ている己自身です。血はこびりついてなかなか取れず、血の臭いは長いあいだ残ります。

そして、死んでいった約600万人の人々の思いは、この世への無念を振り払えないでいることでしょう。

そんな彼らの思いを胸に、私たちは懸命にこの世界を正しい方向へ導き続ける必要があります。

もう一度のイスラエルの話に戻りますが、イスラエルでは宗教の自由を認めています。総人口約850万人のうち、ユダヤ教徒が76%、ムスリムが16%、キリスト教徒が2%、その他色々な宗教の人々が住んでいます。

その中で、みなが世界最悪のあの惨劇を繰り返さないため、立ち止まって祈りを捧げる。ある意味美しいとも言える荘厳さでした。

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