「ナスカの地上絵」で有名なペルーのナスカで昨年、3本指の手と足を持つ奇妙な女性のミイラが発見されました。これは、墓荒らしによってたまたま発見された物でした。
「マリア」と名づけられたそのミイラは、その見た目から「これはエイリアンだ!」と大きな話題となったのです。
しかし、イギリスの研究者たちは、最新のDNA解析と放射性炭素年代測定法を用いて徹底的に調査を行いました。
その正体とは一体何だったのでしょうか?
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98.5%は人間の遺伝子だったミイラ
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今回、DNA解析を行ったのは、研究者で映像作家でもあるイギリスの超常現象研究団体「MapIt」の会長、スティーブ・メラ氏(Steve Mera)です。
マリアの頭蓋骨は奇妙な形をしており、耳は欠如し、3本指の手と足は長く伸びている。人間の身体的特徴とは大きく異なります。
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しかし、ちゃんと人間と同じように指紋があり、マリアの遺体は通常のミイラ処理と同じようにちゃんと内蔵を抜かれていたのです。
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彼らの調査団は、最新のDNA解析と放射性炭素年代測定法による調査を行いました。
その結果、マリアは約1,800年前のミイラで、遺伝子が98.5%「霊長類」、すなわち人間に似ていることが判明しました。しかし、残りの1.5%はよく分からない遺伝子構造です。
このミイラはヒトの新種かもしれない
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実は、発掘された際、マリアの他にもいくつかの奇妙な3本指のミイラが発見されたのですが、それらはすべて動物の骨などで作られた偽物のミイラだったことが判明しています。
しかし、マリアだけは違ったのです。
スティーブ氏は、「マリア」は私たちの知らない前の新しい人間の種かもしれないと考えています。
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しかしながら、マリアの大きな眼窩や長い指は、剥製師の手によって変えられた可能性もあり、頭蓋骨も幼少期から小さなかぶり物などで引き伸ばされたのではないかとスティーブ氏は見ています。
それでも、水平の皮膚隆線、耳の欠如、大きな犬歯などの特徴は本物だとしている。
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「この発見は、歴史書を永遠に書き変えることになるかもしれない。マリアは、21世紀でもっとも重要な発見になるでしょう」とスティーブ氏は語っています。
エイリアンではない
スティーブ氏たちの調査後、マリアは地元ペルーのクスコにある「インカリ研究所」に引き渡されました。
インカリ研究所の理事長を務めるテリー・ジャミン氏(Thierry Jamin)は、マリアは人間とエイリアンとの交配種ではないかと考えていますが、スティーブ氏はこの主張を否定。
スティーブ氏は、最後にこう語っています。
「謎のミイラ、マリアは『地球外の起源がある』という非科学的な主張を反証するべく、今回の調査を行いました。結果、彼女の大きな体以外は反証できたと考えています」
スティーブ氏の研究チームは、現在ナスカ市長と交渉し、マリアをナスカの博物館に移すための手続きを進めているようです。