夜空に輝く色とりどりなレースのカーテン。その名はオーロラ。。。
「オーロラって綺麗だよね」「一度はこの目で見てみたい」という思いを持っている人は多いはず。だが『オーロラがいったいぜんたい何なのか』を知っている人は結構少ないのではないだろうか?
なぜ・どうしてオーロラが出来るのか?そしてオーロラはどこで観測できるのか?
今回はオーロラについて、科学が苦手な方のために分かりやすく話していくぞ!
オーロラの名前の由来
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まずは名前から。
『オーロラ』という名称は、ローマ神話の曙の女神(ギリシア神話のエーオースでもある)で、知性の光、創造性の光が到来する時のシンボルでもある「アウローラ(Aurōra・アウロラ) 」に由来するようだ。
日本語では北極近辺のオーロラを『北極光』、南極近辺のオーロラを『南極光』と呼ぶこともある。
ちなみに、オーロラは英語で『aurora』だが、北極光を『northern lights』、南極光を『southern lights』とも言う。覚えておいて損はないぞ!
オーロラはどうやって出来るのか?
科学が苦手な方のために、オーロラが発生する原理をできるだけ簡単に説明してみよう!
まず、オーロラが出来る大本は、太陽から吹き出す『太陽風(たいようふう/Solar wind)』が関係している。
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太陽の表面には『コロナ』と呼ばれる100万度以上の密度が低く薄い大気があるのだが、このような超高温では「気体が電子とイオンに電離したプラズマ状態」になっていて、太陽の持つ強大な重力でもこのコロナガスを繋ぎ止めることができない。
そしてこのコロナガスからイオンや電子が放出される。この放出された電気を帯びた粒子(プラズマ)が『太陽風』と呼ばれている。
その太陽風が、地球の磁石地点に引き寄せられていく。そう。北極のS極、南極のN極の強力な磁場。その両極へ向けて太陽風がビューンと(音はしないだろうが)飛び込んでいくのだ。
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その太陽風のプラズマが、地球の磁力線に沿って高速で降下し、100~200キロ上空あたりで大気の酸素原子や窒素原子を刺激することによって光の帯となって発光する。
これが一般的に考えられているオーロラの発生原理だ。
オーロラの色は酸素と窒素の加減で決まる
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もっと簡単に言うと、オーロラは太陽からのプラズマが地球の大気とぶつかり化学反応を起こすことで出来た光となる。
大気のほとんどは、窒素と酸素で出来ているが、オーロラの色はこの二つの分子が出している。
つまり、オーロラの色は太陽風のプラズマが窒素か酸素、どちらに衝突するかによって決まってくるのだ。
例えば、窒素に衝突するとピンク色や青色の光を放出。酸素に衝突すると赤色や緑色を放出する。
そして、大気中の窒素と酸素の密度によって、これらの色が混ざったような色に変化するのだ!
加えて、オーロラがゆらゆらと揺れているのは、発光している大気が揺れているのではない。大気中の物質それぞれが時間差で発光しているため、波打つカーテンの様に見えるのだ。
ちなみに、この光(可視光)以外にもさまざまな電磁波や電流と磁場、熱などが出るらしい。そして状況さえ再現すれば、人工的にオーロラを出すこともできるという。
・・・・・・まぁ自宅で簡単にホイッとオーロラが作れる訳ではなさそうだが(笑)
オーロラが観測できる場所について
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オーロラは、高緯度へ行けば行くほど、つまり北極・南極に近づけば近づくほどよく見られると思っている人が多いかもしれないが・・・・・・それは勘違いだ(-_-;)
実際、オーロラは地球の極をドーナツ状に取り巻くように現れる。この領域のことを『オーロラ帯(aurora belt)』と言う。
北極・南極にそれぞれ地磁気緯度で65〜70度にあるオーロラ帯。そこでは天気さえよければほぼ毎晩オーロラを見ることが出来るそうだ。
当然のことながら、そのオーロラ帯から外れれば外れるほど、オーロラが見える確率は減ってくる。
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写真で見てもらえると分かると思うが、オーロラ帯は綺麗なドーナツ状ではなく楕円を描いている。
オーロラがよく見られる場所として有名なのは、
・アラスカのフェアバンクス
・カナダのユーコン準州のドーソンシティ
・カナダのノースウエスト準州のイエローナイフ
・スウェーデンのキルナ
など。あなたがオーロラ観賞旅行を計画しているのであれば、これらの地域をおすすめするぞ!
しかし、ごく稀にではあるが、アメリカやカナダの東部でそれほど寒くなくてもオーロラを見物することが出来ることもあるらしい。
例えば、ニューヨークやボストンでは、1年に10回程度オーロラが見ることができるのだそう。
ちなみに、オーロラの形は基本カーテンのような形だが、オーロラの活動が活発なほど渦巻きのような形になるという。
いつかあなたがオーロラ観賞をしたとき渦をぐるぐると巻いていたら、それは超ラッキーなこと。カメラはポケットにしまい込んで、ただただその自然美に酔いしれて欲しい。
Reference : elitedaily.com